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うみねこのなく頃にEP1【第2巻】のネタバレ・感想と無料で読む方法!

うみねこのなく頃にEP1【第2巻】のネタバレを紹介しています。

「俺は今夜殺されるだろうな」そんな留弗夫の衝撃的な告白で終了した第1巻。さて、留弗夫の真意とは……?

ネタバレを先に紹介しますので、無料で読む方法が知りたい方は、下の目次からジャンプしてください!

通常の試し読みではなくちゃんと1冊全部を無料で読めますよ!


うみねこのなく頃にEP1【第2巻】のあらすじ・ネタバレ・感想

大人気作品うみねこのなく頃にのあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください。

とても面白い作品なので是非、実際に漫画でも読んでみてくださいね。

うみねこのなく頃にEP1【第2巻】のあらすじ

「今夜俺は殺されるだろうな」
そう告げた留弗夫。戦人はそんな“らしくない”留弗夫を問い詰めようとするが、留弗夫は顔を洗ってくると言い残し、部屋を後にした。

霧江「留弗夫さんの気持ち、当ててみましょうか。“話したいことがあるけど言い出す勇気がない。追ってきて問い詰めて聞き出してくれ”」

戦人「ええ!?そういう推理でいいんすかぁ!?」

霧江「普段は虚勢を張ってるけど今夜は疲れてるのね。あの甘えん坊さんのことは私に任せておいて」

戦人「じゃあ、クソ親父のこと頼みますよ」

そう言い、留弗夫を追う霧江を廊下まで見送る戦人。すると、戦人の背後から真理亜を背負った譲治と朱志香、それに桜座がやってきた。

どうやら真理亜は、件の肖像画の下で泣き疲れて寝ていたらしい。

桜座は話合いが遅くなりそうだからと真理亜を譲治に託した。譲治達は快諾し、紗音を加えた五人で雑談しながらゲストハウスへと戻る。

道中、紗音は右代宮家が運営する孤児院出身で、金蔵が善意から雇ってくれていること、孤児院出身者が使用人として働いている間は、名前に音のつく文字を入れていると言うことを話した。

戦人は紗音の本名を聞き出そうとするが、紗音は「私達に本名は必要ありません。家具ですから……」とそれを拒否する。

部屋に着くと譲治が紗音をトランプに誘った。紗音は心の底から喜んでいたようだったが、残念ながら夜勤が有ると断る。

戦人「そぉかぁ。仕事じゃ仕方ねえなぁ」

紗音「では……失礼します……」

譲治「……あぁ!僕、お屋敷に忘れ物したみたいなんだ。紗音ちゃんまた案内してくれる?」

そんな譲治の言葉を、紗音と一緒にいたいが為の口実と戦人は茶化すが、朱志香が戦人の口を塞ぎ、譲治と紗音を見送らせる。

朱志香「ちょっとは気ぃきかせろよな、戦人ぁ。ニブすぎるぜ。あの二人はなぁ……」

戦人「えぇ!?」

一方その頃の譲治と紗音は、薔薇庭園の中にある、屋根のついた休憩所で雨宿りをしていた。

紗音「……譲治様。お忘れ物の方はよろしいのですか……?」

譲治「嘘。君と話したかっただけさ」

紗音「……は……は……ぅ……」

譲治「……これを、君に受け取って欲しいんだ」

譲治が手のひらに持っているのは指輪ケース。そしてその中に収まっているのはダイヤの指輪。

……婚約指輪である。

紗音「こ、このような高価なもの……。お、お受け取りできません……!私には過ぎていて……!」

譲治「これは命令だよ。この指輪を受け取って……ね?」

紗音は顔を赤らめながら、しかし幸せそうな表情でそれを受け取った。そして、ぼーっとその指輪を見つめる。

譲治「そして……。ここからは命令じゃない。“紗代”-サヨ-、明日までに返事がほしい。指輪を気に入ってくれたなら好きな指につけて欲しいんだ。君に「左手の薬指につけて」と命令することもできるけど……。そうじゃない。紗代自身の意思を見せてもらいたいんだ」

そんな譲治の言葉に紗音は無言で頷いた。そして、大切そうに指輪の入ったケースを胸に抱える。

譲治「そろそろゲストハウスに戻ろうか」

紗音「……あ……。えっと私!お屋敷に用を思い出しまして……。お屋敷にいかなければなりせ……ん……」

そう言う紗音の顔は真っ赤で、譲治にはすぐに紗音が恥ずかしがっているのだと理解できた。

そんな紗音を見て譲治はクスクスと笑うと、先に戻っていると言い残し、紗音と別れた。

屋敷に戻った紗音は郷田に見つかり、仕事を押し付けられてしまう。そして、真っ暗な屋敷内を歩き回り、施錠を確認することになった。

そして、その途中──何かの気配を感じ取る。

紗音は使用人に伝わる噂を思い出していた。

曰く“お屋敷の中を金色の蝶が飛び回る。それはベアトリーチェ様が絵から抜け出している”のだと……。

意を決し、後ろを振り向く。
──がそこには何もいない。

紗音(気のせい……?)

そう思い、再び振り向くと、そこには──黄金の蝶。

紗音「……ッ!」

……一方、その頃譲治は、戦人達がいる部屋に戻り、トランプに興じていた。

譲治「戦人くんがいると違うね。賑やかで退屈しないよ」

朱志香「6年ぶりの再会だってのに初日でこれだけ馴染むかよ、フツー」

戦人「散々色々あった気がするけど、まだ初日の夜なんだよな──」

そんなことを呟いた戦人の脳裏に、例の碑文の文字と、留弗夫の台詞がよぎる。

第一の晩に、鍵の選びし六人を生贄に捧げよ。
「俺は多分今夜殺されるだろうな」

戦人(……まさか……な……)

そんな一抹の不安を抱えながらも、夜遅くまでトランプで遊ぶ譲治、戦人、朱志香。

そして、翌日。

10月5日 6時00分。

夏妃(昨夜は久しぶりによく眠れたわ)

目を覚ました夏妃は、手早く身支度を整えると、自室のドアに手をかけた。

夏妃(これは……)

夏妃が気になったのは、ドアノブにかけられたサソリアクセサリー。娘の朱志香から貰った物だった。

夏妃「朱志香のおかげで安眠できたということかしらね」

そんなことを呟き、サソリのアクセサリーを眺めていると、ドアをノックする音が。扉を開くと、そこにいたのは使用人の源次だった。

源次「おはようございます。早朝から申し訳ありません」

夏妃「何事ですか?」

源次「昨夜の落雷で電話機器に故障が出たようです。内線が不通になっておりまして。あとで業者に修理を依頼します」

夏妃「では台風が過ぎるまでは内線は使えないのですね」

源次「……それから奥様。……実は郷田の姿が見えません……」

夏妃「では朝食の準備は……」

源次「手付かずのようです……」

夏妃「なぜ今日に限って……。大方寝坊でもしているのでしょう。誰でもいいから急いで朝食の準備を……」

そう言いながら自室を出た夏妃。扉を閉めると……。

夏妃「な……ッ!これは何のいたずらですか……!おぞましい……!」

血のような赤い液体で、夏妃の自室の扉に大量の手形がつけられていた。……まるで、血で汚れた手でドアをかきむしったような……。

彼女の脳裏には悪戯の主犯であろう人物が浮かぶ。絵羽だ。絵羽は夏妃と犬猿の仲だった。顔を合わせる度に嫌がらせや嫌味を言われているのだ。そう考えるのも当然だった。

夏妃は源次に清掃を申し付けると、客間へと向かった。客間に居る絵羽とお互い嫌味たっぷりに挨拶をする。

と、嘉音が焦った様子で客間に飛び込んだ。

夏妃「嘉音。郷田は見つかったのですか」

嘉音「……それが。郷田だけではありません。蔵臼様…、留弗夫様ご夫妻…、それに桜座様のお姿も見えません…」

夏妃「……主人達まで!?……では話合いがまだ続いていて……。小休止とでも称して外へ出ているのでしょうか……。郷田が何かの世話役に同行していることも考えられますね…」

秀吉「何や。兄さん達はまだ話し合っとるんか!」

絵羽「皆タフねえ」

夏妃「…秀吉さんと絵羽さんは彼らの行方をご存じないのですか」

絵羽「私達は昨夜の24時過ぎにはベッドに戻ったもの」

秀吉「その時も議論は続いてたが…その後のことはさっぱり分からんで!」

夏妃「嘉音、表を捜してらっしゃい」

絵羽「夏妃姉さん。外とは限らないわよぅ?お父様の書斎……ってことはないかしら」

秀吉「おお!場所を書斎に移してお父さんにも混じってもらって続けてる可能性はあるわな」

絵羽「じゃあ私はお父様の書斎に行ってくるわね」

夏妃「確認が必要なら私が行きましょう。客人の絵羽さんにそこまでのご足労はかけられません」

絵羽「じゃあ……ついでに朝食にはご一緒できるようお父様をお連れくださる?誇り高い右代宮の跡取り妻の夏妃姉さんなら……できるわよね?」

夏妃(……お祖父様が一緒に食事を取りたがらないと知っているのに……!)

源次「奥様。これをお持ち下さい。私だけが特別に所持しているお館様の書斎の鍵です」

夏妃「……でも、これを使ったらあなたもおとがめを受けるのでは……」

源次「扉越しでは説得も難しゅうございましょう。ぜひお使い下さい」

夏妃「…………ありがとう、源次……」

源次から鍵を受け取った夏妃は、金蔵の書斎へと足を運んだ。扉を開け、部屋に入るがやはり蔵臼達はいない。

扉を開けた途端激昂されるかと覚悟していた夏妃だったが、意外にも金蔵は落ち着いていた。

金蔵「夏妃。…右代宮に嫁ぎもうずいぶんになるな。…前の家が恋しくなることはあるか」

夏妃(私は逃れえぬ運命によってこの家に嫁いだ。右代宮の女として誇り高くあろうと頑張ってきた。努力しては煙たがられ、罵られ蔑まれた。……それでも)

夏妃「私は右代宮夏妃。嫁ぐことは生家を捨てること。私の家はこの右代宮の家のみです」

金蔵「蔵臼が女で……お前がその夫であったなら……」

夏妃(それは…夫よりも私を認めてくださっているということ……?)

夏妃「お父様。この夏妃、血は繋がらずともお父様の娘です。右代宮の栄光も、そしてお父様が残された物も全て……!この夏妃が!必ずや守って見せますから!」

金蔵「外から嫁いできたお前に右代宮の象徴である方翼の鷲を纏う資格はない……」

右代宮家の血を引く者は全員、正装に方翼の鷲が刻まれていた。

そして、金蔵に特別に信頼された紗音、嘉音、そして源次には最高の信頼の証としての方翼の鷲が刻まれた使用人服が用意されている。

金蔵「しかし、お前の心には確かに方翼の鷲が刻まれている。ならばお前は間違いなく我が血族で右代宮の栄光を引き継ぐ者だ。お前の衣服に鷲がないことを嘲笑う声など聞かずともよい」

その言葉を聞いた夏妃は、晩年の思いが報われた気分だった。

金蔵「心に鷲を持つ者だけが真の私の血族なのだ。お前を右代宮家に迎えられたことを今は光栄に思っている」

同刻、ゲストルーム。ゲストルームに用意された二つのベッド、その一つには朱志香が、残り一つには戦人と譲治が寝ていた。

真理亜「うーうーうー!!おーきーてー!!うーうーうー!!」

戦人「何だ何だ敵襲かぁ!?」

そんな戦人のベッドの上ぼすんぼすんと跳びはねる真理亜。……何やら伝えたいことが有るらしい。

真理亜「うー。ママ。ママが!いないー!うーうー!」

譲治「桜座おばさんがお部屋に居なかったの?もうお屋敷にいっちゃったのかなぁ」

朱志香「私達も屋敷へ行こうぜ。きっと桜座おばさんもそこにいるよ」

戦人「だな。親達はもう向こうに行ってるんだろうぜ」

そう言うと戦人達は、手早く着替えて本邸へと向かった。

戦人「え!?親父達がいない!?」

絵羽「そうなのよぅ。蔵臼兄さんに留弗夫に霧絵さんに桜座に郷田さん。それから……紗音ちゃんもいないって話よ」

秀吉「気分転換に海岸にでも行っとるんかのう」

真理亜「うー!ママ!ママがいない!うーうーうー!」

譲治「真理亜ちゃん。ここで僕らとテレビを観ながら待ってようよ。きっとすぐ戻ってくるよ」

戦人(昨日より雨足は弱まっているとはいえ、外に出た?こんな台風の中?出たとしても捜し回って見つからないような場所まで行くか……?)

……戦人には嫌な予感がしていた。

昨日留弗夫が言い残した「俺は今夜殺されるだろうな」と言った台詞が頭から離れないのだ。

夏妃「はぁ……。どうせ島のどこかにいるのです。お腹が空けば戻ってくるでしょう。……私はお客様のお茶の用意をしてきます」

嘉音「お……奥様。まだご報告が……」

嘉音の言葉を聞き終わることもなく、夏妃は客間を後にする。

秀吉「何や?どうかしたんか嘉音くん」

嘉音の話によれば、薔薇庭園の倉庫の様子がおかしいらしい。中を確認しようにも、鍵が無かったので、本邸に帰ってきたというのだ。

その話を聞いた秀吉と絵羽、そして源次は同行することにした。

倉庫についた秀吉達は“様子がおかしい”の意味を瞬時に理解した。

倉庫のシャッターに真っ赤な、血のような液体で“魔方陣”が描かれていたのだ。

秀吉「なんちゅう悪趣味な……」

嘉音「とりあえず塗り消しましょう。倉庫の中に塗料があったはずです」

嘉音はそう言うとシャッターに鍵を差し──開けた。

~本邸~

倉庫から帰ってきた源次の様子がおかしい。戦人はそう思った。
肩で息をしているし、服はびしょ濡れ。相当急いで帰ってきたらしい。

源次は本邸につくやいなや真っ直ぐ南條の元へ行き、何やら耳打ちをする。……すると南條の目の色が変わり、どこかへと消えていった。

戦人「…………。何だ?」

気になった戦人は、そのまま源次の後を追う。すると今度は夏妃に何やら報告しているらしい。その報告を聞いた夏妃がやはり目の色を変え、源次と共に外へと走る。

譲治「……何かあったのかな。酷いあわてようだったね」

朱志香「何か事故でもあったとか……?」

戦人「行ってみようぜ。俺達だけのけ者にされちゃたまんねぇや」

戦人は真理亜にも声を掛けるが、真理亜はテレビを観たいとのことだった。なので朱志香、譲治、戦人の三人で、嘉音が“様子がおかしい”と言っていた倉庫へと向かう。

戦人(親父達が見つかった?それだけにしては変だ。風が急に強くなった気がする。稲妻と暗雲だけじゃない、何かが……島を包み込んでいるような……。ちくしょう。妙な胸騒ぎがする)

そんなことを考えていると、いつの間にか倉庫へとたどり着いた。

うみねこのなく頃にEP1【第2巻】のネタバレ

……違和感。何か臭うのだ。

戦人(……何の臭いだ。鉄さびと……何か生臭い……におい)

そんなことを思い、三人は倉庫の近くで立ち止まる。すると、夏妃が此方に気がついたらしい。風や雨にかきけされないようにか、別の意図が合ってか、大声で叫ぶ。

夏妃「来てはいけませんッ。駄目ですッ!!お屋敷へ戻っていなさい!」

傘も投げ捨て、大きく手を広げ通さないという強い意思を示す彼女。はっきりいって異常だった。

戦人「何だよ夏妃おばさん。……何をそんなに隠してんだよ!」

そんなやり取りをしながら、じりじりと距離を詰める三人。……臭いが強くなる。

夏妃「見てはいけませんッ!あなた達には関係無いものですッ!」

夏妃が激昂する。しかし、戦人は怯まず、一歩一歩と詰め寄り……。

見てしまう。

……見えて、しまう。

戦人「な……何が関係ないんだよ……。だってその服はよ……」

堪らず、と言った様子で夏妃を押し退け、倉庫へと顔を覗かせた。

戦人「うちの親父と霧江さんだろ……ッ!」

夏妃「戦人くん!!」

戦人「──何の冗談だってんだよ……。こりゃあよぅ……」

冗談。そう受け取っても仕方ない。戦人の見た光景はそれだけ衝撃的だったのだ。

戦人「……クソ親父に霧江さん……だよな……?」

死体だった。しかし、只の死体ではない。

戦人「なあ返事しろよ……。何でこんなことになってんだよ……?何で二人とも……。何で……ッ」

血塗られた倉庫で叫ぶ。

戦人「顔がねえんだよッ!?」

顔が無い。戦人の言う通り、留弗夫と霧江の死体には顔が無かった。最早誰か判別できる要素は服装だけ。

……そして……。
顔の半分残った蔵臼、全損の桜座、郷田の遺体もそこにあった。

遺体は全て、顔がぐちゃぐちゃにされていた。

戦人「うぉおおおおおおおッ!!ふざけんなよ畜生ッ!!何をどうやったらこんなことになるんだよぉッ!」

戦人(死者ってのは安らかに眠る顔ってやつを見せてくれるんじゃねえのかよ!?何だよこの最高の死に化粧はよ!?……これじゃあ、“顔面を耕す”っていった方が相応しいだろ……!!)

朱志香「いやぁあ……いやああああああぁ!!!」

戦人の目からは涙が溢れていた。

戦人「畜生……顔がねぇ……顔がねぇよぉおおおおおおお!!うおおおおおお!!」

南條「……死後硬直から察するに、死後6時間以上は経過しとるだろう。検死は専門外だが、損壊部位を見る限り死後に破壊された可能性が高い……」

秀吉「何ちゅう惨いことをッ!悪魔の所業や……!犯人は殺したあと更にこんな無体なことをしたっちゅうんか!」

戦人「親父ぃ……。てめぇは絶対地獄行きだとは思ってたぜ……ッ?でもよ……ここまで惨ぇ目に遭わされる程の悪党じゃなかっただろうがよ……ッ!」

どうして、どうしてッ!戦人の胸に溢れる思いは涙となって溢れ落ちる。

戦人「霧江さんだって……。たまにはムカつくと思ったけどよ……。ちょいとカッコいい俺の姉貴分だったお人じゃねえかよ……。桜座おばさんも、郷田さんも、蔵臼おじさんも……!ここまでされる理由なんかねぇじゃねえかよ……!」

怒りを、虚しさを、悲しみを、拳に込め、床にぶつける戦人。

譲治「よすんだ戦人くん、もうよすんだ……!」

戦人「兄貴、兄貴ぃ……っ!」

戦人は譲治の胸に抱かれ、泣く。止まらないのだ。涙が……。

ふと、譲治は気がつく。

譲治「……お父さん。……倒れているのは……5人……?」

秀吉「……いや、ここに……もう一人おる……」

倉庫の入り口からは死角となった場所を、嘉音と秀吉は見つめていた。

譲治の頭の中に、母──絵羽の台詞が甦る。

「蔵臼兄さんに留弗夫に、霧江さんに桜座に郷田さん。それから……どうも※※ちゃんもいないって話よ」

──※※ちゃんもいないって話よ。

譲治「………………じゃあ。…………お父さんの足元に倒れているのは…………。紗音……なんだね?」

秀吉「……ああ。……紗音ちゃんや……」

戦人(……紗音ちゃん……も?紗音ちゃんも…殺されてるってのかよ……?だって、紗音ちゃんは譲治の兄貴の……兄貴の大事な……!……ふざけんなよ。一体何人俺達から大事な人を奪えば気がすむんだよ……!!)

譲治「……お父さん……。紗音も……他の遺体と……同じなのかな……?紗音の最後の顔を……みてもいいかな……?」

秀吉「……譲治。お前が一番最後に見た紗音ちゃんは……どないな顔をしとったんや……」

譲治(指輪を渡して……心は決まっていたはずなのに戸惑って……はにかんで……あれが紗音の最後の笑顔……)

譲治の瞳にも、涙が溜まっていた。

譲治「……素敵な笑顔だったよ」

秀吉「…そうか。なら紗音ちゃんもその笑顔をお前に残したいと願うはずや」

譲治「──……」

思い起こされる紗音との日々。素敵な笑顔で譲治の名を呼ぶ彼女。

譲治「……っ」

一つ一つ思い起こす度に……。

譲治「……う…、う……う、うぅ、ううう……うああ……う、……うう」

秀吉「紗音ちゃんはきっとありがとう言うとるぞ……。お前に恥ずかしいところを見られとうなかったんや。……きっとお前が耐えてくれたこと感謝しとるで……」

譲治「……父さん聞いていいかな……?紗音は指に……指輪をつけてるかな……?」

秀吉「……あるで。ダイヤの指輪が……左手の薬指にある……。紗音ちゃん婚約しとったんか……」

絵羽「……譲治……あなたまさか……」

秀吉「絵羽ッ!今はそんなん関係ないで!!紗音ちゃんは男に将来を約束されとったんや……!女の本懐やないか……!指輪をいつもらったかも誰が渡したかも知らんが……。紗音ちゃんは指輪をもらえたんや!そしてそれを受け入れたんや……!指輪を贈った男もきっと喜んだんとちゃうか……」

譲治「……そっか……。ありがとう父さん。……行こう、戦人くん、朱志香ちゃん。これ以上僕らがいると大人の邪魔になる……」

戦人「……すまねえな。大泣きしちまって……。クソ親父に笑われちまうぜ……。仕方ねえだろ……。親が死んだら泣くように遺伝子に刷り込まれてるんだからよぅ……!」

夏妃「嘉音も……。子供達と一緒に戻ってなさい……」

嘉音「……はい……。奥様……」

戦人、朱志香、譲治、嘉音は倉庫を後にし、南條、秀吉、絵羽、夏妃、源次が倉庫に残った。

夏妃「……源次。すぐに警察に連絡を。台風が過ぎるまでは来れずとも指示はあおげるはずです」

源次「……はい。防災用の無線にてすぐに」

夏妃は遺体の顔を隠すように提案するが、南條と絵羽が警察が来るまでそのままにすべきだと反論。夏妃はそれに素直に従い、新しい南京錠で倉庫に鍵をすることを提案する。

絵羽「どうして別の施錠を……?」

夏妃「ここに来た時、シャッターの鍵は閉じていた……。つまり、シャッターの鍵を使い犯人が施錠したということです」

秀吉「源次さん。この倉庫の鍵はそれ一つかいな?」

源次「はい。常に使用人室にしまってあります」

秀吉「……ちゅうことは…。犯人はその鍵を使用人室から持ち出し、律儀に元の場所に戻した……っちゅうことになるな……?おかしいで。何でわざわざ元通りに戻したんや?」

絵羽「おかしいって言うならあの不気味な落書きもよ。普通犯人が死体を隠すとしたら、犯行発覚を送らせて逃亡時間を稼ぐためでしょ。なのにあんな目立つ落書きを堂々と……。“中に異変があるから開けてください”ってアピールしてるようなものじゃないの」

南條「その上倉庫の鍵はいつもの場所に戻されていた……。逃亡時間を稼ぐどころではありませんな……。すぐにでも倉庫は開けられ、犯行が発覚する」

秀吉「これじゃあまるで……死体を早く見つけてくれと言わんばかりやないか……」

夏妃「とにかく新品の南京錠にて施錠しましょう。鍵は私が責任を持って警察に手渡しします」

そして、夏妃達も倉庫を後にし、本邸へと戻った。

本邸へと戻った夏妃と絵羽は金蔵の元へ報告に、源次は警察に連絡をしに離席する。すると入れ替わりの形で慌てた様子の熊沢が。

熊沢「そ……それが、朝食の配膳に行ったら……しょ……食堂に血が……!」

その言葉を聞き真理亜と源次、それに夏妃と絵羽を除いた全員が食堂へ向かった。

南條「……かなりの出血量です。大分時間が経っているようにも見えますな……。恐らく昨夜……。蔵臼さん達はここで……」

秀吉「わしらは昨夜ずっと食堂で話し合いをしとった……。わしと絵羽が抜けたのが24時過ぎや。……その後に……ちゅうことか……」

朱志香「マジかよ……勘弁してくれよ……」

嘉音「お嬢様……。これ以上ここにいては毒です……。客間に戻りましょう」

戦人「俺も同感さ……。この部屋を俺達が踏み荒しちまうのは警察の迷惑になるぜ」

その言葉を皮切りに、食堂は封鎖することとなった。客間についた譲治はぽつり、ぽつりと話しだす。

譲治「昨夜さ……、僕は紗音に求婚したんだ。指輪を渡して……明日それを好きな指にはめて返事をくれってキザなことを言ってね」

そこまで言うと、譲治は、はは……と自嘲気味に笑う。

譲治「紗音は昨夜ゲストハウスの当番だったらしいんだ……。でも紗音は僕と一緒にゲストハウスに戻るのを恥ずかしがって当番でないはずのお屋敷へ行き……事件に巻き込まれてしまった」

譲治はそこで言葉を区切ると、珍しく声を張り上げる。目元から、感情が溢れていた。

譲治「僕が!あの日!あの場所で!指輪なんか渡さなければ……!!……紗音は死なずにすんだんだ……!!」

戦人「兄貴。それだけは違うぜ断じて違う!だから……それ以上泣くんじゃねぇ……!」

譲治「う……うう……うううぅ……う……」

そんな譲治の言葉を聞き、朱志香も涙を流していた。

朱志香「くそくそくそッ!私は親父達を殺したやつを絶対に許さないぜ!!見つけ出してこの手で八つ裂きにしてやる……!うぅうう……う!!」

真理亜「うー。朱志香お姉ちゃん誰か死んじゃったの?」

朱志香「……っ。死んじまったぜ皆!私の親父も!戦人の両親も!郷田さんも紗音も!真理亜の母さんもだよ!」

譲治「よすんだ朱志香ちゃん。悲しいのは君だけじゃない……!」

戦人「真理亜、よく聞け。お前の母さんが誰かに殺されちまった……。悲しいだろうがよ、心をしっかり……」

真理亜「……何人、死んじゃった?」

朱志香「6人だぜ6人ッ!!あんな残酷なことをしやがって!誰だか知らねぇが犯人は人間じゃねえぜ!血の色が赤いわけがねぇ!」

真理亜「……うー。朱志香お姉ちゃんの言う通り。犯人は人間じゃない。※が選んだ、※※なだけ」

戦人「……え?……おい真理亜。……今、何て言った……?」

しかし、真理亜は微笑むばかりで何も答えない。戦人が問い質そうとしたその時、夏妃の怒鳴り声が響く。

夏妃「何ですって!?無線でも連絡できない!?今使えなくて何のための防災無線ですか!!毎年点検はさせてるはずでしょう!?」

源次「……申し訳ございません。故障か、それ以外の理由なのか分かりませんが……明日の朝に船が来ることになっていますのでその船の通信機を借りることはできると思います……」

秀吉「この島に船はないんか!?」

源次「蔵臼様のボートは今、修理中で島にありません。あったとしてもこの天気では……」

秀吉「そんなアホな話があるか……!6人も死んだんやで!台風が過ぎて船が来るまで……わしらは外部と連絡もとれずこの島におれっちゅうことなんか!?」

譲治「台風のせいでこの島は昨夜から一切の交通手段が断たれている……。だから……明日の朝までこの島から出られないのは僕たちだけじゃない……!」

戦人「つまり……6人を殺した犯人もまだこの島にいるってことかよ……!!」

秀吉「そうや、お父さんや。お父さんに指示をあおごう!夏妃さん達、お父さんの所へ行ってきたんやろ!」

絵羽「お父様はいなかった。部屋は空っぽだったのよ」

嘉音「……お館様が書斎を出られたと言うのですか……?」

夏妃「そうです。私も驚いています。いつの間に部屋を出たのやら……」

源次「お館様の書斎にはお休みの場所からご不浄まで全て設けてあります。お館様が書斎をお出になるなど……よほどのことがない限り考えられません……」

戦人(熊沢さんが用意してくれた食事をとりながら……とりあえず現状についての周知が行われた。6人が殺され、外部との連絡手段はゼロ。更に祖父様が行方不明。……“祖父様も既に殺されていて死体がみつかってないだけ”という可能性もあるのだ……)

戦人がそんなことを考えていると、夏妃は、熊沢、源次、嘉音と共に金蔵の捜索と戸締まりの確認の為に客室を後にする。

戦人(真理亜は親の死を聞かされても特に感情の変化を見せなかった。生死の概念が薄いのか……?9歳の子供はこんなにも幼いものだっただろうか。対称的に譲治の兄貴は塞ぎ込んでいる。慰めている朱志香も心中はきっと同じだろう)

絵羽「どうしたのぅ。そんな怖ぁい顔して」

戦人「絵羽おばさん……」

絵羽「留弗夫と霧江さんのこと……。本当にお気の毒だわ。縁寿ちゃんが知ったらさぞ悲しむでしょうね。縁寿ちゃん、体調を崩して今回はご実家で静養してるんだったわよね?変な話だけど今回は来なくて正解だったのかもね」

戦人「……そっすね……」

絵羽「戦人くんはもうだいぶしっかりしてるみたいに見えるわよぅ。さっきは大泣きしてたのに……。強いわねぇ」

戦人「俺だって……まだまだ立ち直れちゃいません。だけど今は……」

そこで戦人は言葉を区切ると、拳を握りしめた。

戦人「悲しいってよりは腹立たしい気持ちなんすよ。どこのどいつがこんな上等キメてくれやがったのか……。そいつに一発お見舞いしてやらなきゃあ腹の虫が治まらないんです……!」

絵羽「ドライな癖に激情家なところは留弗夫ゆずりね……」

戦人「絵羽おばさん。この殺人、昨夜の手紙と関係あると思います?」

すると絵羽は語りだす。どうやら兄弟の間ではあの手紙は金蔵が遺産問題に絡みたくて出したものという風に認識されているらしい。

真理亜が会ったベアトリーチェも、紗音辺りに肖像画のドレスを着させてベアトリーチェを騙らせたと言うのが兄弟達の見解だと。

戦人(霧江さんも昨夜19人目を否定した。19人目はいない。だから俺達18人の中にベアトリーチェがいる。……それなら……)

戦人「19人目がいないなら、親父達を
殺した犯人も18人の中にいるってことになっちまうじゃないすか」

絵羽「……ねえ、戦人くん?その犯人、6人の遺体をよく倉庫に運び込めたものだと思わない?シャッターは普段から常に施錠されていて、そのたった一つの鍵は常に使用人室に保管されていたそうよ」

絵羽「さっき嘉音くんが使用人室に鍵を戻すところを見たけど、素人目にはどれがとれかも分からなかった。それでも犯人は見事その鍵を選び出した。そんなこと……使用人室の内部や鍵の所在に詳しい人物じゃなきゃあ無理よぅ?」

戦人(使用人室は普通家人は入らない……。……となると倉庫の鍵を持ち出せる人間は限られてくる……)

絵羽「それからもう一つ……。犯人は複数で十分な武装もしていたはずだわ」

戦人「複数で……武装?」

絵羽「だってそうでしょう?食堂にいた大人4人を一度に殺し、6人分の遺体をはるばる倉庫まで運んで、その上悪趣味な化粧と落書きまでしてる。こんな時間がかかること単独犯でやれる……?」

戦人「絵羽おばさんは、使用人全員がグルだろうって……言ってるんすか……」

その言葉を聞いた絵羽は、自らの扇子を戦人の額に突きあて、低い声で警告した。

絵羽「静かになさいな?本当にそうだったらどうするつもり?彼らは私達を生かして帰さないでしょうねぇ。……今この部屋でまともに戦えそうなのは私の夫と譲治、それに戦人くんと……拳法の心得がある私で4人ってところ?昨夜兄さん達をやすやすと葬ってる犯人にとって、残る私達を皆殺しにすることなんて簡単なことなのよ?」

絵羽「……まああくまでも可能性の問題よぅ?それに……使用人を操る黒幕もいるんじゃないかと思うわ」

戦人「黒幕?」

絵羽「奇しくも私達は遺産問題の真っ只中だしね?」

戦人(絵羽おばさんの推理はやや決めつけっぽいが誰もが至る王道的な推理だろう。鍵のことを考えれば誰もがきっと使用人を疑うことになる)

戦人「……だぁから、気にいらねぇんすよね」

戦人(……誰にでも至れる推理。だからこそ気に入らない。“チェス盤をひっくり返して”考えるなら……犯人が使用人というのはありえない)

戦人(本当に彼らが犯人なら、自分達が疑われやすくなる場所には死体を隠さない。それを逆手にわざと倉庫に置いても何の利益もない。それに、仮に彼らがグルだとしたら紗音ちゃんや郷田さんの死はどう説明するのか。他の誰かが行った“使用人を疑わせる為の偽装工作”って方が筋が通るぜ)

戦人(それに……鍵だけなら使用人が疑わしいが、……利害や動機は?この殺人で一番得をする人物は……?)

絵羽「私よね。この殺人で一番得をするのは」

戦人「……っ」

絵羽「戦人くんが考えていること当てちゃったぁ?」

戦人「……洒落にならねーっすよ、絵羽おばさん……」

絵羽「ごめんねぇ?どうせ疑われるだろうからふざけただけよ」

戦人「……聞いていいっすか。昨日のアリバイ」

戦人がそう聞くと、絵羽は話しはじめた。曰く、24時に食堂を抜け、ゲストハウスで源次に出迎えを受けてから寝たらしい。

絵羽「もっとも、使用人もグルだとしたらこんなのアリバイにならないけどねぇ」

戦人「確かに!ってことは俺は今真犯人と推理ごっこをしてることになるんすか?」

絵羽「私の名誉のために言わせてもらうけど……遺産目当てならこんな変な殺人はしないわよぅ?だって、事故死に見せかけた方がスマートでしょう?使用人達とグルで周到に計画してたなら尚更よ」

戦人「そうっすね。営利で人を殺すならそれは殺人に見せるべきじゃない」

絵羽「だからおばさんは今からとてもブルーなわけ。警察には黒幕扱いされるでしょうねぇ」

結局何も分からない、そう思った戦人は思考を整理する為に外を見つめていた。すると、秀吉が何やら奇怪な図形を描いていることに気がつく。

倉庫に描かれた落書きだと話す秀吉。誰か心当たりがあるか聞いているようだが、誰も心当たりは無かった。

真理亜「きひ、きひひひっ。きひひひひひひひひひひ。きひひひひひひひひひひひひひひひひ。……わっかんないかなぁ。これは太陽の7の魔法陣だよ。書かれている字はヘブライ語。束縛やしがらみ、逃れ得ぬ運命からの解放と言う意味だよ」

戦人(……ま、……まり……あ?……お前本当に真理亜なのか……?)

きひひ、と笑いながらノートに魔方陣を描く真理亜。それを秀吉が確認すると確かにこんな文字も描かれていたと、その魔方陣を認めた。

真理亜「魔方陣の為に6人はそこにいるんだよ。ほらここに書いてある。よめないかなぁ?きひひ。“主は私の枷を解かれました。私は貴方に感謝の生贄を捧げ、主の御名を呼ぶでしょう”」

戦人「……6人は生贄だってのか……!」

その言葉に、真理亜はにこりと微笑む。

戦人「……ッ。そんな下らないことの生贄に親父達は殺されたのかよ……!?」

真理亜「きひひ。下らなくなんかないよ。大事な魔女の生贄だよ。戦人。魔女は“い”るんだよ?きひひ。きひひひ。きひひひひひひひひひひひひひ、ひひひひ」

戦人(真理亜が魔女の手紙を読み上げてから何かが狂っている。台風に閉ざされたこの島は外界から切り離された異世界。ベアトリーチェが魔女の手紙で俺達を誘った……?まさか本当に魔女がいて全て魔女の仕業だとでも言うのかよ!?俺は何を考えればいい……?)

きひひ、きひひと真理亜の声が響く。それがまた、戦人の不安を煽っていた。

戦人(今のこの島じゃ魔女が手紙を送り、魔法陣に生贄を捧げられるのが当たり前ってわけだ。ダメだダメだ。わけが分かんねぇ……!魔女はいる?いない?犯人は俺達の内?外?俺は何を考えればいい……!?)

どんどん混乱していく戦人。……そんな戦人は幼少の時の留弗夫とのやり取りを思い出していた。

留弗夫「なぁ戦人。どうしてオカルトなんてものをわざわざ映画にすると思う?…………ねぇからだよ。どこにもねえからわざわざ見たくて作るんだ。悪魔やオカルトなんてもんは遊びたくて創り出した幻想なんだ」

……霧江が言っていたことを思い出す。

霧江「“完全に追い詰められて打つ手なし”って時こそ最も読みやすい瞬間なの。そこで“チェス盤をひっくりかえす”のよ」

戦人(ふざけんじゃねえ。ここは人間の世界だ。魔女なんかいねえ。犯人がまだこの島にいる、ただそれだけのこと……!そして……。さっぱりわからねえと完璧に追い詰められた今こそが“チェス盤をひっくり返す”タイミングじゃねぇか……!)

戦人は指を擦り合わせ、かつて霧江がしていたように指を鳴らした。

戦人(守勢に回るな……。犯人側からみて目論みを暴け……!犯人は殺人を犯す時点で島が台風に閉ざされるのを知っていた……。退路の確保もなく殺人に踏み切ったわけだ。つまり“最初から逃げるつもりはない”……。真っ向勝負ってことかよ)

戦人(倉庫の魔法陣は、傘を片手に闇の中……。さぞ時間をかけて描いたんだろうなあ。遺体の顔の損壊もそう。“殺人の手段”としててばなく、もう死んでる人間の顔を手間暇かけて耕してくれやがった……。ならその手間には何か意味がある……!)

戦人(顔面を損壊した遺体も、本格派の魔法陣も、やがて倉庫を見つける俺達に見せるためにこそ用意されたものじゃないか……?見せる……。犯人は俺達にそれらを見せてどんな反応を期待していた?“これだけ惨たらしく殺した”と言うアピール……。俺達を脅えさせたかったに違いない)

戦人(次に気になるのはシャッターの魔法陣……。俺達素人にはその意味は読み取れない。それなら最初からオカルトの知識がある人間に見せるために描かれたんじゃないか……?右代宮でオカルトと言えば祖父様。祖父様がどうやって魔法陣を見たのかは謎だが、その結果の反応が“失踪”?それとも俺達に祖父様の関与を疑わせようという罠か?)

戦人「チッ」

戦人(うぜえ真似だぜ。魔女の手紙だの魔法陣だの、俺達にこんなオカルトごっこをさせて何を期待してやがる)

ふと、魔女の手紙を思い出す。
【それではどうか、今宵を金蔵様との知恵比べにて存分にお楽しみくださいませ】……そんな一文を。

戦人(面白ぇ。こいつは俺達と魔女様の知恵比べだ。てめぇのオカルトごっこに俺達が飲み込まれるのが早いか、俺がてめえの化けの皮をはぐのが早いか、台風が過ぎるまで楽しませて貰おうじゃねえか)

そんなことを考えていると、どうやら夏妃が帰ってきたらしい。客間に戻った夏妃は、金蔵秘蔵のウィンチェスターライフルを護身用に持ってきていた。

そして夏妃は全員で客間に閉じ籠ることを提案した。皆も賛成し、それから四時間。

戦人「……ちょいと手洗いに」

熊沢達が昼食の後片付けをしている厨房で水でも貰おうと思い、厨房へ向かう戦人。すると、使用人達が話をしているのが聞こえてきた。

嘉音「……源次様。奥様の部屋の扉に血のような跡が付いていたと仰ってましたね……?」

源次「うむ。気味の悪い跡だった。まるで血のついた指でドアノブを引き抜こうとしたかのような……」

嘉音「ベアトリーチェ様が奥様の部屋を訪れて扉を開こうとしたけど開かなかった…ということでしょうか……。……どうして……奥様は生贄を免れたんだ……奥様が選ばれてた紗音は死ななくてすんだのに……ッ」

戦人「面白そうな話じゃねぇか。あんたら一体何を知ってるんだ?ベアトリーチェってのはお伽噺の魔女ってだけじゃなさそうだな?」

……使用人は誰も答えない。目を逸らした嘉音の胸ぐらを掴む戦人。

戦人「昨夜までなら俺は部外者さ……。だかな、肉親を殺された時点で立派な関係者だ。俺にもその話を聞く権利はあるはずだぜ……?」

嘉音「……分かりました。お話します。ベアトリーチェ様は六軒島の森に住む魔女様であらせられます」

戦人「森に入ると危ないってんで亡くなった祖母様辺りが作り出した脅し話だろ?」

嘉音「いいえ戦人様。ベアトリーチェ様は実在するのです。お館様に莫大な黄金を授け、長いことお側にお仕えした実在する方なのです」

戦人「…………マジかよ。つまりベアトリーチェって名の人物は実在するんだな?」

源次「……はい。お館様が島に屋敷を構える以前からずっとお仕えしている方です。……恐らく私よりも長く」

戦人「なんてこった……。霧江さんの仮説は外れたな。そいつは今、この島にいるんだな?」

源次「はい。いらっしゃってると思います」

戦人「曖昧な言い方じゃねえか。昨日今日そいつの顔を見たってわけじゃなさそうだな」

嘉音「……はい。大変申し上げ難いのですが……その……」

熊沢「お顔を見ようにも……ベアトリーチェ様にはお姿がありませんから……」

戦人「…………お姿が……なんだって……?」

源次「ベアトリーチェ様にはお体がありません。ですからベアトリーチェ様がお望みにならない限り、私ども凡庸にはお姿を見ることすら叶いません」

熊沢「ベアトリーチェ様が人の姿をされていた頃の絵があの肖像画だとか」

嘉音「ベアトリーチェ様は時折輝く蝶になって現れることがありますが、追えば必ず不幸になると言われてます。その禁を破り大ケガをして辞めた使用人もいます」

戦人「……おいおい。あんたら本気でそんな話をしてるのかよ?」

源次「戦人様。すでにベアトリーチェ様はお越しになっておられます。そのようなお言葉はよろしくないかと思います」

嘉音「ベアトリーチェ様はご自身を冒涜される方を好みません。その存在を疑えば必ずや不幸が降りかかります」

熊沢「気持ちの悪い話だとお思いでしょう。ですがね、ベアトリーチェ様は“い”るんですよ」

戦人(熊沢さんまで……真理亜と同じことを言い出すのかよ……?)

源次「“い”ます。それを疑われることをベアトリーチェ様はことの他嫌われます」

嘉音「……分かりませんか、戦人様。ベアトリーチェ様は既に、ここにお越しになっております」

戦人(“い”る?今“ここ”に?ベアトリーチェが?)

戦人「俺には何にも見えないぜ?今俺の隣にいるとでも言うのかよ。脅しっこ…なしにしろい……」

瞬間、後ろに気配を感じる戦人。振り向くと──。

戦人「真理……亜……?」

真理亜「きひひひひ」

うみねこのなく頃にEP1【第2巻】の感想

突然、不気味に笑うようになった真理亜。一体彼女は……?
気になる幕引きで終わった第2巻。次巻も楽しみですね!

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